抄録
現在の主な爆発物探知法としては,訓練された犬に爆薬の匂いを探知させる方法,金属探知機により探知する方法,X 線検査装置により検知する方法があるが,いずれの方法にも課題がある.爆発物には微量ながら爆薬成分の痕跡が残る.本研究は,抗体の特異性(抗原抗体反応)を利用して,表面プラズモン共鳴(SPR)センサで高感度に検出することを目的としている.検出方法としては置換法を使用した.爆薬の一種であるジニトロトルエン(DNT)を選び,ニトロ化合物に対するモノクローナル抗体,センサチップ上の自己組織化単分子膜にニトロ化合物の類似物を結合させ,検出感度を調べた.