抄録
雑音や不要な信号の混合した信号から目的の信号を抽出する方法について多くの研究がある。そのうち、原信号や伝達関数の特徴が未知であるときに,観測した混合信号のみを用いて原信号を推定する手法をブラインド信号分離という。ブラインド信号分離を実現するには独立成分分析を始めとする様々は手法があるが、これらは逐次更新型アルゴリズムが多く、分離に時間がかかってしまい、リアルタイムの信号分離への利用は難しい。本稿では、2チャンネルの音声信号を原信号とし、ブラインド信号分離を高速化するためのアルゴリズムを提案する。