抄録
眠気や疲労による脳機能の低下・予防には15分から20分程度の短時間仮眠が効果的である.しかし仮眠をとった際に眠りすぎると,覚醒時に睡眠慣性が強く出現し眠気や疲労感が残る等の悪影響が起こる.そのため適切に短時間仮眠を取ることが出来る仮眠環境が重要となる.本研究では,被検者から記録した生体信号を用いることで,被検者の睡眠覚醒状態を推定し,適切な仮眠環境制御を行った.仮眠時の環境を,入眠誘導,睡眠維持,覚醒誘導,睡眠慣性減少の4段階に分け,睡眠ポリグラフ記録より睡眠覚醒状態を推定することで,適切に制御されるようにした.29名の被検者に対して行った実験によって,本方法の有効性を検討した.