抄録
希土類系高温超伝導体の臨界電流密度Jcの角度依存性は応用機器の設計開発において重要なパラメータである。Jcの測定には通常四端子法が用いられるが高Jcの低温領域の測定は困難である。我々は四端子法の相補的な手法として磁気法を検討した。本研究では磁気モーメントベクトルの角度依存性を評価し、そこからJcの角度依存性を評価した。今回用いた試料は、BaHfO3を添加したGd 1B2C3Oδ-7線材で、長さ3mm、幅1mmの矩形上に加工している。超伝導層の膜厚は3.2μmである。磁気モーメントの測定にはSQUID磁化率計(MPMS)を使った。本研究の一部は、ISTECを通じてNEDOからの委託を受けて実施した。