抄録
有機固体色素レーザは、製作の容易性·柔軟性·機能性有機分子との互換性のため光集積回路など様々な応用が盛んになされている。しかし、従来の有機固体色素レーザは色素分子を固体材料内に固定させるため耐久性に問題がある。
我々はナノポーラス材料ポリジメチルシロキサン(PDMS)中を色素分子が拡散できることを利用した新アプローチを用いている。黄色~赤色領域ではレーザ発振を可能とするピロメテン系色素を用いることが出来たが、青色~緑色領域ではPDMSへ溶解性を示す色素が存在しない問題があった。
本研究では、青色領域でPDMSへ溶解し、レーザ発振を可能とする色素を新たに開発し、その光学および拡散特性の評価を行った。