抄録
医療費削減のために入院期間の短縮が求められており,入院患者の退院や転院(以下,入退院)を支援する枠組みの重要性が高まっている.入退院の支援には,リハビリや看護等に関する専門知識が必要とされるが,必ずしも体系的に整備されてはいない.そこで著者らは,入退院支援に関わる専門知識を蓄積,共有する枠組みを提供することにより,入退院を効率的に支援するシステムを開発している.開発にあたっては,入退院支援業務の分析結果に基づいて業務知識を体系的に整理し,知識ベースとしてまとめることでシステムの保守性と拡張性を高める.本論文では,地域拠点病院に対する業務分析結果と,これに基づいた知識ベースの構成法について述べる.