抄録
本研究室では、10μm/h以上の成膜速度を持つPLD法を用い、数10 μm厚の等方性Nd-Fe-B系厚膜磁石を作製してきた。その際、「高トルクを有するシリンダ型小型モータ」への搭載を目的とし、400 kA/m程度の中保磁力を維持しつつ、0.9 T程度の比較的高い残留磁化を目標値とし、その作製を試みた。本稿では、「成膜時のエネルギー密度」ならびに「ターゲット組成」をパラメータとし、ソフト相(α-Fe相)とハード相(Nd2Fe14B相)よりなるナノコンポジット厚膜磁石の開発を検討したところ、残留磁化1.0 T, 保磁力400 kA/m、(BH)max 100 kJ/m3程度の値を実現できたので報告する。