抄録
近年、大規模な自然災害により電力系統は影響を受け、運用状態や特性は変化している。高い信頼度で供給するためには、時々刻々と変化する状態を的確に把握し、柔軟に対応できる系統運用が重要であり、広域的なデータ収集に基づくリアルタイムの監視、制御技術が注目されている。電力会社では、自社系統内の各地に電力系統記録装置を設置して、遠隔・多地点で同時刻に周波数、位相、有効電力、無効電力、電圧等の各種データ計測および収集が行われている。本稿では、多地点で同期計測された位相情報に着目し可視化する手法の提案を行う。また、その可視化図を用いて電力と位相差の関係性から系統状態の時間的変化を解析し検討を行う。