抄録
匂い源探知を実現する匂いセンサの機構として,FRETと呼ばれる蛍光物質の消光現象を用いることを提案した.本研究では,まず蛍光分析による基礎的な測定を行った.その結果,単体の蛍光物質では検出が困難である匂い物質の存在が明らかになった.そこで,FRETと呼ばれる消光現象を用いて,より高感度な匂い検出を試みた.その結果を用いて,画像撮影による匂い物質の視覚的検出を行った.
結果として,単体の蛍光物質では検出の難しかった匂い物質が,二種類の蛍光物質を混合した系を用いることで新たに検出可能になり,匂い可視化フィルムによる画像撮影を行うことで,匂い物質の存在を視覚的に検出することが可能であった.