抄録
我々は,誘電泳動を利用した細胞操作・分別システムの実現を目指している。生理食塩水等のある程度以上の導電率をもつ溶液中の細胞には,電界強度の弱い方向へ力が働く「負の誘電泳動」が生じ易い。そこで平面電気四重極構造を用い,電界の極小点で細胞を補足し,各電極の印加電圧を個別に変化させることで電界の極小点の位置を変化させ,細胞操作が可能である事を明らかにしてきた。今回は,細胞の大きさによる誘電泳動力の違いを利用して、流動方向を変化させることで細胞分別を行うセルソーターの実現を目指し,各電極の電圧を可変できる電気四重極を用いて、最適な電界の極小点の位置および電界強度分布について実験的に検討した。