抄録
運動イメージ中の脳波の変化を利用したBrain-Computer Interface(BCI)を開発し,2方向制御の可能性を検討した.被験者として1名の健常男性を用い,手の把握運動を1分間に30,60,120回の3つのペースで繰り返すイメージを行わせた.その間の脳波を19部位からサンプリング周波数1kHzで取得し,記録した脳波から,C3,C4におけるβ波帯域パワー(βパワー)の変化を調べた.繰り返しのペースに対する違いは見られなかったが,運動イメージ中のC3,C4におけるβパワーは減少しており,運動イメージした手の違いによって両者に差がみられた.C3,C4におけるβパワーの変化を用いた2方向のBCI制御の可能性が示唆された.