抄録
現在,日本の電力系統はくし型構成の電力系統であり,弱制動の長周期動揺の発生がよく知られている。この動揺を抑制する装置として低コストで柔軟な系統運用ができるPSS(系統安定化装置)がある。このPSSを適切に設計することで系統の安定化が期待できる。そこで制御設計の際には制御対象となる長周期動揺モデルが必要であり,その制御対象モデルの同定の精度が高いことが望ましい。本論文では, 長周期動揺モデル(伝達関数)を模擬した制御対象を使用しランダム波形を用いて同定を行った結果について示す。特に,システム同定条件(次数,データ数,サンプリング周波数)を変えた場合のシステム同定精度の変化に関する基礎的検討を行った。