抄録
携帯型音楽プレーヤーを使い,ヘッドホンを通じて楽音を長時間過大な音量で聴くことは難聴の原因となる.周囲の雑音に対して楽音の再生音量を適切な範囲内で制御する方法は,聴力保護のために必要である.しかし周囲の雑音を制御する従来の方法では,必要な音までも除去してしまい事故等の危険性を高める.本研究は人間の耳のマスキング特性を利用し,楽音の再生音量を適切に制御する方法を実現することが最終目的である.この目的を達成するため本報告では,携帯型音楽プレーヤー使用時の雑音の種類・楽音のジャンル等の影響を調べるために行った,ヘッドホン外・ヘッドホン内で模擬した雑音環境下における主観評価の実験結果について述べる.