抄録
画質の改善処理の際には,通常与えられる画像以外に情報がない状態で,処理結果の評価が必要となる.このような参照画像のない場合における処理結果画像の評価方法の一つとして,各画素に詳細特徴量と平坦特徴量との二つの特徴量を与えておくことにして,処理前後の画質の評価をこれらの特徴量に基づく評価関数によって行う方法がある.この評価関数には,それぞれの特徴量を計算する際の基準値を設定するための1つのパラメータが含まれており,その値を対象画像のコントラストやエッジ,テクスチャ等の状態に応じて調整することによってより適切な評価値を導くことができる.ここでは,このパラメータ値の適切な決め方について検討している.