低入力環境における自励式誘導発電機の残留磁束を考慮したシミュレーション

抄録

本研究の目的は，茶畑用の防霜ファンをその運転休止期間に自励式誘導発電機として発電させることである。しかし，防霜ファンは送風用に設計されているため，十分な入力を得ることが難しい。本研究室ではこれまで，低入力の自励式誘導発電機から整流器と降圧チョッパで構成されるインターフェース回路を介してバッテリに充電電力を供給するシステムを提案している。本稿では，自然風データを入力としたシミュレーションを行うため，防霜ファンの慣性モーメントおよびダンピング係数，さらに誘導機の残留磁束について検討し，これらの値を用いたシミュレーションにより回転数および出力電力を求めて，実験結果との比較を行った。