大日本窯業協會雑誌
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純生石灰の燒成温度と性質との關係に就て
近藤 清治山内 俊吉住澤 龍
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1935 年 43 巻 515 号 p. 731-735

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抄録

1 カールバウム製最純炭酸石灰を900-1600℃で100℃おきに2時間加熱して生石灰を調製し, 其一定量をデュワー壜内の水中に投入して最高温度に達するまでの時間と上昇温度とを測定した。又生石灰の微構造及之に1-6倍の水を交ぜたものの變化を顯微鏡で觀測し, 且生石灰のX線寫眞を比較した。
2 水和の實驗では, 温度の上昇は燒成温度に關係なく, 最高温度に達する迄の時間も解離の不完全な900℃燒成物を除いては著しい差異を認めなかつた。此結果がK. W. Ray & F. C. Mathers氏 (Ind. Eng. Chem., 1928, 20, 415) 及其他の研究者の實驗結果と一致しなかつたのは是等の人々は石灰石を用ひたのに著者は純炭酸石灰を使用した爲であらう。
3 鏡檢の結果も燒成温度の影響が顯著でなく, X線分析の結果は1000-1600℃の燒成範圍に亙り全く同一であつた。

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© The Ceramic Society of Japan
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