大日本窯業協會雑誌
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再びポルトランドセメントのマグネシア含有量に就て
近藤 清治和田 貞次
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1935 年 43 巻 516 号 p. 798-801

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抄録
1 著者は曩にポルトランドセメントのマグネシアは約8%まで無害であると報告した (本誌, 40, 〔480〕, 769, 昭7)。 更に之を確めんが爲に總て工業原料を用ゐ, 水硬率を2.15に, 珪酸率を2.70に, 鐵率を1.50に一定し, 焼塊が3%, 5%及8%のマグネシアを含有するやう3種の原料配合物を造り, 之をガスマッフル窯で燒成し, 石膏を加へて粉末し, 得たるセメントの小型耐壓力を測定した。
2 材齡3-28日に於てはマグネシア含有量3%と5%の間には殆ど強度の差を見なかつた。 マグネシア8%のセメントは著しく弱かつたが, 他の缺點を認めなかつた。
3 供試體をオートクレブに入れ1400℃で6時間熱した後の強度は, マグネシア5%のセメントは3%セメントに比して著しく優り, 8%のセメントは著しく劣つてゐたが他の缺點を示さなかつた。
4 要するにマグネシアは5%位までは無害で寧ろ有利なやうである。
本研究は文部省自然科學研究奬勵補助費に依つた。 尚著者は化學分析を擔任せられた棚橋壽一氏に對して深く感謝する次第である。
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© The Ceramic Society of Japan
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