抄録
スポーリングに對する抵抗を他の物理的性質及機械的強度から算出する方法には誤差が大きくて確實性に乏しい。 故に直接に試驗することが必要である。 著者等は新しい試驗法を提案し, 之を市販マグネシア煉瓦及試製品に應用し, その結果を報告した。
(1) 試驗法 小形試驗片を約1000℃に熱して水和物及炭酸鹽を驅逐した後常温度で彈性率E1を測定する。 次に之を急に900℃の爐に入れ10分の後扇風機上で6分間室氣冷却を行ひ, 15分間室内に放置してから乾燥する。 此の操作を5囘反復した後常温度の彈性率E2を測る。 剥裂傾向 (spalling tendency) は100(E1-E2)/E1で示すのである。
(2) この試驗法は鋭敏である。 且同一試驗片で測るため試驗片に因る誤差が無い。
(3) 市販品の中ではRadexが特に優れてゐる。
(4) 微粉の量を一定した場合には粗粒の細かさが耐熱性に及ぼす影響は些細である。