窯業協會雑誌
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酸化チタン・酸化亞鉛系磁器誘電體の研究 (第3報)
V. 誘電體損, 誘電率及誘電率温度係數試驗
杉浦 正敏池田 浤一
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1947 年 55 巻 629 号 p. 121-125

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抄録

(1) TiO2-ZnO系磁器の誘電體損はZnO10-25モル%の範圍内に於て最低値を示し, ZnO70モル%以上のものは, 誘電體損は急激に増加し, 高周波用として使用し得ない。
(2) 本系磁器の誘電率はZnO0-66.7モル%迄, ZnOの添加量増加と共に直線的に減少し, ZnO70モル%以上のものは半導體的性質を帶び, 見掛の誘電率は増加する。
(3) 電極としてアルミニウム箔を貼付した場合と, 銀を燒付けた場合とを比較すると, 誘電體損は前者より後者の方が小となり, 誘電率は前者より後者の方が約10%大なる測定値を得た。
(4) 各調合素地の燒成温度と誘電體損との關係は本實驗の範圍内に於ては, 燒成温度の高い方が一般に誘電體損は大であり, 又誘電率は燒成收縮や嵩比重の關係と同樣でTiO2含有量大なるものは燒成温度を高めると誘電率は却て減少したが, ZnO含有量の大なるものは燒成温度を高めると誘電率は増加した。
(5) 誘電率の温度係數は-8.10×10-4/℃より+1.78×10-4/℃の間に於て連續的に變化し, ZnO53モル%の點で0となつた。

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© The Ceramic Society of Japan
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