マグネシア試料に対するエッチング剤を, 現在まで報告されているものを中心として約20種類選び, 主としてマグネシア単結晶の {100} 劈開面と多結晶体の研磨面に対する最適エッチシグ条件を決定し, さらにエッチング効果の差異, 優劣などを比較検討した. エッチング効果はエッチング剤の種類によって異なり, エッチピットの形状とマグネシアの結晶方位との関連性に差異が認められ, その作用によって5つのグループにエッチング剤を分類できることがわかった. それらの中で特に濃硝酸は, 多結晶体研磨面上の個々の粒子表面上に形状の整った多角形エッチピットをつくり, また単結晶 {100} 劈開面上には 〈001〉 方向に平行な辺をもつエッチピットをつくる傾向をもつことがわかったため, このエッチピットの結晶方位との関連性を利用して, 任意の方向をむいている個々の粒子の研磨面の面指数の決定を試みた. このためのエッチピットの形状と面指数 ({100} 面と {111} 面の近傍) との相関について述べ, 面指数決定の一例を示した.