窯業協會誌
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85 巻, 977 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 市古 忠利, 磯野 赳夫, 望月 敬一
    1977 年 85 巻 977 号 p. 7-14
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ゼラチン製造工程からの副生物である骨燐を使用したボーンチャイナの製造のための基礎資料を得ることを目的として, 骨燐を使用したボーンチャイナの焼成反応を検討した.
    骨燐-石灰石-粘土-長石系素地の焼成において得られた実験結果の検討から, 石灰石の分解生成物であるCaO成分は骨燐の変化したβ-Ca2P2O7と反応し, 800-1000℃でβ-Ca3(PO4)2を生成し, さらに粘土鉱物の分解物の一部と反応してアノーサイトを生成した. 1200-1300℃で素地の磁硝化が急速に発達し, その結果生ずる熔融物に因る粘性流動機構的素地の緻密化が行われ, 1250-1300℃でこの素地はβ-Ca3(PO4)2, アノーサイト, ガラスの組成を持ち磁器化した. また抗折強度は素地の緻密化に伴って上昇し, 弾性率は磁硝化に伴って上昇することが明らかになった.
  • 李 卿喜, 大門 正機, 浅賀 喜与志, 西川 直宏, 後藤 誠史, 近藤 連一
    1977 年 85 巻 977 号 p. 14-19
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Ca(OH)2-石英系およびCa(OH)2-石英-カオリン系の水熱反応生成物硬化体について, 破断面の走査型電子顕微鏡観察, ならびに窒素ガス吸着測定を行い, 水熱反応速度に対する生成物の微細構造の役割について次のような知見を得た.
    未反応石英の周囲をとりまいて内部水和物が石英の反応厚みの約2倍の厚みを持つ層として生成することを確認した. 石英の反応速度は内部水和物層中の物質移動により支配されていると考えられる. さらにこの内部水和物層はCa(OH)2が存在する間はち密化が進行し, Ca(OH)2が消費し尽されると疎になる.
    カオリンが添加されると, 水和物は石英粒子の近傍に比較的ち密に生成する. この現象はカオリンのCa(OH)2-石英系水熱反応に対する遅延作用の原因の一つとなっていると考えられるが, 遅延作用をこれだけで完全に説明することは未だできない.
  • 西川 友三, 平井 伸樹, 内田 陽造
    1977 年 85 巻 977 号 p. 19-23
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    平均結晶粒径25μm, 比重98.7%をもったNi0.5Zn0.5Fe2O4焼結体を300-450kg/cm2の範囲の一定圧縮荷重, 1200-1400℃の範囲の一定温度で変形した. Ni-Znフェライト焼結体の全歪量 (εt) にたいする, 結晶粒界すべりによって生じた歪量 (εgbs) の比であるγをマーカーライン法によって求めた. 上述の実験条件の下で, Ni-Znフェライト焼結体のγの値は, 1200℃での約20%から1400℃での2-3%の範囲のものであり, その値は温度の上昇とともに減少した. これらのγの値は, サーフェイス・プロフィル法やインターフェロメトリー法で測定されすでに報告されている非金属多結晶材料のγの値とよい一致を示した. しかしながら, これらの測定法ではγが大きく測られる可能性があるので, 非金属多結晶材料の本当のγの値はこれらの測定値よりもやや小さいものであるかも知れない.
  • 大塚 淳, 中村 博
    1977 年 85 巻 977 号 p. 23-29
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    NiO-MgO-ZnO系固溶体の生成とその色調とを検討した. 試料は, 各酸化物を所定のモル比に配合し, 1200, 1300, 1400, 1500℃の各温度で一時間焼成して得た. (Ni, Mg, Zn) O系の岩塩型およびウルツァイト型固溶体の生成領域を, X線分析により検討し, 各生成領域内で, 格子定数の測定を行った. Ni2+は6配位選択性が極めて強く, 4配位の位置には極めて入り難い, Zn2+は4配位選択性が極めて強く, また6配位の位置にも入り得る. Mg2+は, 特に強い選択性はないが, 4配位選択性はなく, いずれかといえば6配位選択性を示す. このため, 各温度で (Ni, Mg, Zn) O系の岩塩型固溶体の生成領域はかなり広く, ウルツァイト型のそれは非常にせまい, 1400℃で, ZnOはNiO中に約40mol%固溶するが, NiOはZnO中, わずか2.5mol%しか固溶しない. また, ZnOはMgO中に35mol%固溶し, MgOはZnO中に10mol%固溶した. (Ni, Zn) O系ウルツァイト型固溶体では, Ni2+の含量が極めて少ないにもかかわらず, 4配位Ni2+の吸収があらわれ, 濃いリーフの色調が得られた.
  • 水野 正雄, 山田 豊章, 野口 哲男
    1977 年 85 巻 977 号 p. 30-35
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ヘリオスタット式太場炉を用い鏡面反射法により冷却曲線を求め, これよりAl2O3-Pr2O3系の液相線を算定した. 熔融後急冷した試料をX線回折, 偏光顕微鏡および化学分析により検討した.
    等モル配合組成の試料を1600℃に加熱処理したもの, および熔融後冷却した試料からPrAlO3が単一相で観察された.
    β-Al2O3構造のPr2O3・11Al2O3も観察されたが, この組成の試料は加熱および熔融後冷却した試料では単一相としては得られず, PrAlO3とこ相共存で存在していた.
    PrAlO3について高温X線回折を行った結果, 950℃付近において菱面体晶系←→立方晶系に可逆転移することを認めた. これらの結果に基づき, Al2O3-P2O3系の高温平衡状態図を提案した.
  • 猪股 吉三, 長谷川 安利, 松山 辰夫
    1977 年 85 巻 977 号 p. 35-37
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    実験室で合成したSi3N4粉末を用いて, これとMgOとの反応およびMgO-SiO2-Si3N4-Mg3N2四成分系の相平衡関係を1750℃で調べた. Si3N4の加圧焼結助剤として添加する少量のMgOはこの温度で次のように反応する. Si3N4+4MgO→Mg2SiO4+2MgSiN2 この反応によって生ずる複合窒化物MgSiN2は, 反応系へのSiO2の添加で消滅する. 四成分系の相平衡関係については, この温度で安定な化合物としてMgO, Mg2SiO4 Si2N2O, Si3N4ならびにMgSiN2を挙げて論じた.
  • 岡田 昭次郎
    1977 年 85 巻 977 号 p. 38-43
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    研削砥石の性能を左右する結合度は, 一般に機械的な方法で測定されているが, 物理的意味に乏しくまた砥石を傷つけるなどの欠点があるため, あまりすぐれた方法ではない. 最近, 砥石の固有振動数からその動弾性率を求めて結合度を判定する方法が提案され, 測定値に普遍性があり非破壊的にじん速に測定できるため, 広く用いられる傾向にある. しかし, これに関する研究はビトリファイド砥石に限られ, レジノイド砥石に関するものは見当らない. 高能率研削の進展と共に, レジノイド砥石が研削砥石の主流を占めるようになった現在, この音響試験のレジノイド砥石への早急な適用が望まれる. 本報では, この見地からレジノイド砥石の製造方法と組成と動弾性率との関係を, 固有基準振動数をじん速に検出できるグリンドソニックにより求めた. この結果, この方法はレジノイド砥石の結合度の判定に十分利用できることがわかった.
  • 浜野 健也, 上薗 裕史
    1977 年 85 巻 977 号 p. 43-50
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    マグネシア試料に対するエッチング剤を, 現在まで報告されているものを中心として約20種類選び, 主としてマグネシア単結晶の {100} 劈開面と多結晶体の研磨面に対する最適エッチシグ条件を決定し, さらにエッチング効果の差異, 優劣などを比較検討した. エッチング効果はエッチング剤の種類によって異なり, エッチピットの形状とマグネシアの結晶方位との関連性に差異が認められ, その作用によって5つのグループにエッチング剤を分類できることがわかった. それらの中で特に濃硝酸は, 多結晶体研磨面上の個々の粒子表面上に形状の整った多角形エッチピットをつくり, また単結晶 {100} 劈開面上には 〈001〉 方向に平行な辺をもつエッチピットをつくる傾向をもつことがわかったため, このエッチピットの結晶方位との関連性を利用して, 任意の方向をむいている個々の粒子の研磨面の面指数の決定を試みた. このためのエッチピットの形状と面指数 ({100} 面と {111} 面の近傍) との相関について述べ, 面指数決定の一例を示した.
  • 1977 年 85 巻 977 号 p. 50
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 85 巻 977 号 p. A1-A8
    発行日: 1977/01/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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