窯業協會誌
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キャスタブル耐火物特性におよぼす粒度分布の影響
河村 淳一有吉 騏三郎吉形 輝夫山崎 正勝
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1977 年 85 巻 979 号 p. 101-110

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抄録

4mm以下の〓焼フリントクレイ骨材とアルミナセメントからなるキャスタブル耐火物において, その作業性, 充填性, 施工体と加熱体の強度および加熱による容積安定性などにおよぼす粒度分布の影響を, セメント添加量および可塑性粘土添加の影響と比較しながら研究をおこなった. その結果, 耐火物坏土のグレイディングにおける著者らの式, n成分系での任意のi成分以下の篩下量=20.5(1-n)q+{1-20.5(1-n)q}{(δ0-δ)n-i-1}/{(δ0-δ)n-1-1}において, 分布係数qが0.3で偏位係数δが-0.2の場合に適当なフロー値を示し, 比較的に高充填高強度となり容積安定性にすぐれたものがえられた. また微粉部骨材の微細度の向上およびセメント量の増大は上記ほどの効果を上げる事が出来ず, また可塑性粘土の添加は, 単に作業性中の保形性を向上させる効果しかみとめられなかった. したがってキャスタブル耐火物製造上, 骨材の粒径グレイディングが最も重要な因子であると結論した.

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© The Ceramic Society of Japan
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