窯業協會誌
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85 巻, 979 号
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  • 河村 淳一, 有吉 騏三郎, 吉形 輝夫, 山崎 正勝
    1977 年 85 巻 979 号 p. 101-110
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    4mm以下の〓焼フリントクレイ骨材とアルミナセメントからなるキャスタブル耐火物において, その作業性, 充填性, 施工体と加熱体の強度および加熱による容積安定性などにおよぼす粒度分布の影響を, セメント添加量および可塑性粘土添加の影響と比較しながら研究をおこなった. その結果, 耐火物坏土のグレイディングにおける著者らの式, n成分系での任意のi成分以下の篩下量=20.5(1-n)q+{1-20.5(1-n)q}{(δ0-δ)n-i-1}/{(δ0-δ)n-1-1}において, 分布係数qが0.3で偏位係数δが-0.2の場合に適当なフロー値を示し, 比較的に高充填高強度となり容積安定性にすぐれたものがえられた. また微粉部骨材の微細度の向上およびセメント量の増大は上記ほどの効果を上げる事が出来ず, また可塑性粘土の添加は, 単に作業性中の保形性を向上させる効果しかみとめられなかった. したがってキャスタブル耐火物製造上, 骨材の粒径グレイディングが最も重要な因子であると結論した.
  • 山口 悟郎, 柳田 博明, 白須賀 公平, 能登 範昌
    1977 年 85 巻 979 号 p. 110-114
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ペリクレースとサファイヤの接合固相反応で生成するスピネルは組織の異なる2つの相からなることが知られている. このうち, ペリクレース側に生成するスピネルはマグネシアの結晶面に配向してエピタキシャルに成長するといわれている. 一方, サファイヤ側に生成するスピネルはトポタキシャルに成長するとは考えられてはいるが, この配向関係は明らかではない. 本稿では, サファイヤのa面, m面, d面とペリクレース劈開面の1500℃, 240時間接合固相反応により, 生成するスピネルのサファイヤ側生成スピネルの配向性を, 反応界面と平行なスピネル切削面のX線回折強度から明らかにした. また, 別に合成スピネルの {110} 面の蝕像とサファイヤc軸の関係を顕微鏡観察で明らかにし, 母結晶サファイヤと子結晶スピネルの関係を図解, サファイヤ指数 (HKL) とスピネル指数 (hkl) の間に, 4H=2h-k-l, 4K=-h+2k-l, L=h+k+lが成立ち, 実験結果と完全に一致することを示した.
  • 重金属スラッジ処理の基礎研究
    服部 信, 長屋 喜一, 上村 昇
    1977 年 85 巻 979 号 p. 115-120
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    クロム, ニッケル, 銅を含む有害スラッジに珪酸質を添加焼成し, 重金属イオンの溶出を抑制すると同時に部分的ガラス化による造粒効果の利点も持つ処理法の基礎研究として, Na2O-CaO-MxOy-SiO2系 (MxOy: Cr2O3, CuO, NiO) を1000℃ 2時間焼成したときのガラス化範囲, 金属溶出率などを調べた. MxOyの最大含有率 (モル%) は, Cr2O3 1.5%, NiO 5.0%, CuO 23.0%であった. pH 4.5の緩衝液中での金属イオン溶出率は, 基礎ガラスの耐酸性に依存するが, Naイオンに比較して重金属イオンの溶出率はかなり小さかった. CaO添加は溶出率を低下させるが, 組成によってはクロム酸塩生成による6価クロムの溶出をまねく. Ca成分の多いスラッジでは留意すべきである. CuOはガラス形成に参加することにより著しく難溶化されるが, Cr2O3, NiOの場合はNa2Oが30%をこえると溶出率が急増するので, 基礎ガラス組成に注意を要する.
  • 坂村 博康, 今岡 稔
    1977 年 85 巻 979 号 p. 121-126
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    配位数の異なるガラス形成酸化物同志の2成分系ガラスと, ガラス形成酸化物と2価の修飾酸化物の2成分系ガラスの内部摩擦を調べ, TeO2-BO1.5系を除いては, ブロードではあるがピークが認められた. これらの緩和機構は, カルコゲナイド系ガラスと同様に, ガラスの網目構造中に, 応力に対する構造的弱部と強部とが共存するためと考えた.
    網目構造中で, 強部より弱部が多くなる領域では, 組成に対するピーク変化はカルコゲナイド系ガラスと類似しており, 弱部より強部が多くなる領域になると, カルコゲナイドガラスと逆の結果が見られた.
  • (1) 銀燐酸塩ガラス
    土谷 敏雄, 堀内 哲郎, 森谷 太郎
    1977 年 85 巻 979 号 p. 127-133
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Ag2O-P2O5系ガラスは60mol% Ag2Oまでガラス化出来た. 赤外吸収の比較から, Ag2O-P2O5とNa2O-P2O5は同じ様な構造を持つが, Ag2O含有ガラスの1280, 1100cm-1の低波数へのshiftは, Ag-O-Pボンドが共有結合的性格を持つことが示唆された. 電気伝導の結果から, logσはAg2O量の増大と共に増加し, 熔融温度と時間の増加と共に増加した. Ag2O-P2O5はNa2O-P2O5にくらべ, logσが非常に高く, 低い温度係数を示した. 一方, 誘電測定からのε', ε''は, Ag2O量の増加と共に急激に増加し, Na2O-P2O5よりも非常に大きな値を示し, 誘電緩和の大きさΔεは約50mol% Ag2Oで極大が観察された. Ag2O-P2O5ガラスの誘電緩和は, 40mol% Ag2Oより少ない組成ではmigration loss, 50mol% Ag2O以上の組成ではMaxwell-Wagner lossにもとづく. 銀を含むガラスの特異性は, 他のアルカリイオンの様に, Ag+を単なる1価のイオンと見なして電気的性質を理解する事は, 困難である事が示唆された.
  • 加藤 悦朗, 大門 啓志, 山口 明良, 山田 哲正
    1977 年 85 巻 979 号 p. 134-140
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    含水硫酸アルミニウムから種々の方法で調製したアルミナ粉末の成形物の焼結性に及ぼす製造履歴の影響を検討した. 〓焼により, 粉末の焼結性はα化の進行とともに増大し, 形骸粒子の強化とともに低下する. 減圧下での脱水は薄層板状無水物を, また濃硫酸とともに加熱する脱水は立方体形状の無水物を生成し, 何れもその形骸がα化後まで残り, 前者は易焼結性, 後者は難焼結性の粉末を与える. 通常の脱水, 〓焼粉末はこれらの中間的なものである. 比較的低温, 長時間の脱水や分解は, 〓焼後の形骸粒子が強化され, 焼結性が低下する. 無水硫酸塩の状態での乾式摩砕は〓焼後孤立した1次粒子を増加し, 焼結性を顕著に増加させる. 脱水処理前の含水塩の状態での乾式摩砕や, 自由水への溶解処理も, 最終的な〓焼粉末に影響し, 焼結性を増加させるが, これは含水塩の2次元的結合配置が通常の加熱による結晶水への溶解現象後も無水物中に保存されるためと考えられる.
  • 寺井 良平, 堀 誠克
    1977 年 85 巻 979 号 p. 140-144
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高レベル放射性廃棄物の貯蔵に適した低融性硼珪酸塩ガラスの熱拡散率, 熱容量, 熱伝導率がレーザーフラッシュ法によって, 室温において測定された. まずレーザー光吸収膜について検討し, 試料表面に重ねて真空蒸着した銀・金二重膜がコロイダル・カーボン膜よりすぐれていることがわかった.
    この系のガラスの熱拡散率と熱伝導率はシリカ含有量の増加につれて増大するが, その熱容量はシリカ含有量の増加につれてやや減少した. フォノンの「平均自由行路」はその熱伝導率とヤング率から得られた音波速度を用いて計算され, その値がガラスへのアルカリ酸化物の導入によって急激に減少することがわかった. これは熱伝導率のアルカリ含有量の増加にともなう減少が主にフォノンの「平均自由行路」の減少に依存していることを示している.
  • 雨宮 政博
    1977 年 85 巻 979 号 p. 144-148
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    角型の磁気履歴曲線を示すLi0.45Ni0.10Fe2.45O4フェライトに稀土類酸化物を0-4wt%添加し, 1100-1200℃で酸素中で焼成した. この試料を用いて, フェライトの焼結と磁気特性におよぼす稀土類酸化物の添加効果を検討した. その結果, 稀土類酸化物を添加すると, フェライト焼結体の結晶粒と焼結体密度が小さくなることがわかった. フェライトの粒子成長は, 稀土類酸化物の添加量にかかわりなく焼成時間の1/3乗に比例し, その活性化エネルギーは115±10kcal/molである. 緻密化は, 焼結の初期においては焼成時間の対数に比例する.
    磁化反転時間は, 稀土類酸化物の添加により短縮する. これは, 稀土類酸化物の添加によってフェライト焼結体の結晶粒が小さくなったことによると結論される. また, 磁気履歴曲線の角型性は, 稀土類酸化物の添加により僅かに低下する.
  • 佃 康夫
    1977 年 85 巻 979 号 p. 149-151
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    飽和Na蒸気中における透明Y2O3およびY2O3-ThO2焼結体の変化を調べ, これらの材料が高圧Na放電灯の発光管として使用可能か否かの検討を行った.
    Y2O3およびY2O3-ThO2試料はNbパイプ中に金属Naと共に封入され, 1,200℃において6時間加熱された.
    Y2O3試料の透光性, 重量および結晶構造には変化が認められなかったが, 局部的に淡褐色と淡青色の着色がみられた. この着色はNaとY2O3との反応によるものではなくNa中のCuとNbパイプ中のFeに起因するものであることがわかった. これらの結果から, Y2O3焼結体は発光管として使用できる見通しを得た.
    Y2O3-ThO2試料は完全に黒色となった。 この着色は, Y2O3の還元によるものではなくY2O3-ThO2かThO2が関与するある反応に起因するように思われた. これらの結果から, Y2O3-ThO2焼結体は発光管として使用できないことを確認した.
  • 阿部 良弘, 吉川 安, 成瀬 省, 斎藤 肇
    1977 年 85 巻 979 号 p. 151-153
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 85 巻 979 号 p. A16-A20
    発行日: 1977/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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