Ag
2O-P
2O
5系ガラスは60mol% Ag
2Oまでガラス化出来た. 赤外吸収の比較から, Ag
2O-P
2O
5とNa
2O-P
2O
5は同じ様な構造を持つが, Ag
2O含有ガラスの1280, 1100cm
-1の低波数へのshiftは, Ag-O-Pボンドが共有結合的性格を持つことが示唆された. 電気伝導の結果から, logσはAg
2O量の増大と共に増加し, 熔融温度と時間の増加と共に増加した. Ag
2O-P
2O
5はNa
2O-P
2O
5にくらべ, logσが非常に高く, 低い温度係数を示した. 一方, 誘電測定からのε', ε''は, Ag
2O量の増加と共に急激に増加し, Na
2O-P
2O
5よりも非常に大きな値を示し, 誘電緩和の大きさ
Δεは約50mol% Ag
2Oで極大が観察された. Ag
2O-P
2O
5ガラスの誘電緩和は, 40mol% Ag
2Oより少ない組成ではmigration loss, 50mol% Ag
2O以上の組成ではMaxwell-Wagner lossにもとづく. 銀を含むガラスの特異性は, 他のアルカリイオンの様に, Ag
+を単なる1価のイオンと見なして電気的性質を理解する事は, 困難である事が示唆された.
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