窯業協會誌
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珪酸塩ガラスの分相による赤外線反射スペクトルの変化からのピークの帰属
高嶋 廣夫斎藤 肇
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1977 年 85 巻 982 号 p. 257-263

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抄録

珪酸塩ガラス, 硼珪酸塩ガラスが分相することによって起こる赤外線反射スペクトルの変化の帰属について検討し, 次のような結果を得た.
同一組成の珪酸塩ガラスがガラス状態として均一相から分相状態へと変化することにより, Si-O-Si結合に起因する主ピークは高波数側にシフトする. 同結合によるもう一つの1200cm-1付近のピークも高波数側にシフトし, 且つシャープになる. ガラス組成によっては分相することにより主ピークの低波数側に肩が生ずる. これは二相に分離した一方のガラス相のSi-O-Si結合によると考えられ, そのガラス相は, 他方のガラス相より修飾イオンを多く含有している相である. 次に硼珪酸塩ガラスが分相すると1150cm-1と1220cm-1付近にピークが生じた. 前者は〓B-O-|Si|結合によると考えられ, 後者は〓B-O-B〓結合によると考えられる.

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© The Ceramic Society of Japan
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