窯業協會誌
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BeO及びBeO-ThO2混合系の300-1000Kでの熱伝導率
村林 真行高橋 洋一
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1980 年 88 巻 1013 号 p. 36-40

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抄録

BeO-ThO2系混合酸化物は2相のセラミックスを形成すると考えられている. この混合酸化物及びBeOの熱拡散率をレーザーフラッシュ法により, 298Kから1000Kの温度範囲で測定した. 試料組成は, BeO 20-ThO2 80, BeO 45-ThO2 55, BeO 65-ThO2 35, BeO 85-ThO2 15及びBeO 100 (各wt%) で, 試料は直径約9mm, 厚さ1.5-3.1mmの円盤状焼結体である. ThO2の熱伝導率については既に発表したので, その値を用いた. 熱拡散率測定値から熱伝導率を求める際に必要な熱容量の値は, BeO及びThO2の熱容量文献値から, 加成性を仮定して求めた.
得られた混合酸化物の熱伝導率と組成との関係を298Kと773Kについて求めたところ, 2相系セラミックスに対するKingeryモデルとは一致しなかった. この理由は主として, 試料中での2相の混合状態がKingeryの仮定したrandom mixingになっていないためであると思われた.

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© The Ceramic Society of Japan
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