窯業協會誌
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各種硬質材料に対する研磨材の摩耗
松尾 哲夫平嶋 公洋
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1980 年 88 巻 1022 号 p. 634-639

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抄録

本研究はSUJ2 (焼き入れ), ステライト, フェライト, シリコンなど種々の硬質円板材に対する定速定荷重のピンオンディスク型単粒摩耗実験を各種研磨材について行ったものである. 研磨材としてはダイヤモンド, 黒色炭化ケイ素, 標準アルミナ, ルビーアルミナ, 単結晶アルミナ, 及び25%ジルコニアが用いられ, 焼結したSi3N4粒についても試験された. 試験は荷重450g, 摩擦速度300及び600m/minで行われた. これによって各研磨材の摩耗の序列をそれぞれの円板材について調べた.
ステライト板に対する研磨材の摩耗は焼き入れしたSUJ2板の場合に比べかなり多く, 更にフェライト板ではステライト板の2倍程度に多くなる. ダイヤモンド研磨材は円板材にかかわらず最も摩耗しにくく, Si3N4粒は反対にステライト以外の円板材に対し最も高い摩耗量を示す. A研磨材はC研磨材に比べ焼き入れしたSUJ2, フェライト板では摩耗量は少ないが, ステライト板では逆の結果が得られる. フェライト板では, 円板材摩耗粉のアブレージョン作用が研磨材摩耗を支配する重要な因子である.

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© The Ceramic Society of Japan
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