窯業協會誌
Online ISSN : 1884-2127
Print ISSN : 0009-0255
ISSN-L : 0009-0255
窒素1気圧中, 1600℃におけるCr-Si-N系の反応及び相関係
加藤 哲郎吉村 昌弘宗宮 重行
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 89 巻 1029 号 p. 221-229

詳細
抄録

窒素1気圧, 1600℃におけるCr-Si-N 3成分系の反応及び相関係を空冷及び急冷法で研究した. その結果, この等温断面は, 四つの3相領域: Si3N4+Cr5Si3+N2, Cr5Si3+Cr3Si+N2, Cr3Si+液相+N2及び液相+Cr2N+N2並びに一つの2相領域: 液相+N2から成っていることを明らかにした.
領域 [I]: Si-Cr5Si3-N及び領域 [II]: Cr5Si3-Cr3Si-Nにおいては, CrとSiの混合物の窒化側の反応あるいは窒化物の脱窒素側の反応双方の結果から, Cr5Si3及びCr3Siが平衡相であることを確認した.
格子定数の測定結果では, Cr5Si3相の格子定数の値は, β-Si3N4と共存する場合a=9.169±0.008Å, c=4.634±0.005Åであり, Cr3Siと共存する場合a=9.162±0.005Å, c=4.639±0.003Åであって, それらの値の間には有意な差は認められなかった. また, Cr3Si相の格子定数の値は, Cr5Si3と共存した場合a=4.559±0.002Å, 融液から析出した場合a=4.561±0.002Åであり, 両者の値は実験誤差内でほぼ一致していた. これらの結果はCr5Si3, Cr3Siにいずれも固溶域がないことを示唆している.

著者関連情報
© The Ceramic Society of Japan
次の記事
feedback
Top