窯業協會誌
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Cr2O3-ZrSiO4系セラミックスのち密化
山口 明良
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1981 年 89 巻 1029 号 p. 229-235

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抄録

Cr2O3-ZrSiO4粉末成形体を焼結によってち密化するための研究を行った.
Cr2O3粉末 (0.2-1μmの粒径) とZrSiO4粉末 (1-75μm) を混合し, 成形体を作り, その成形体を空気ふん囲気中と炭素粉末中とで1200°-1500℃で焼成した. 空気ふん囲気中焼成では, 1500℃であってもほとんど収縮しないのに対し, 炭素粉末中焼成では1250℃ほどの低温から収縮を生じ, 20wt%以上にCr2O3を含有する試料では, 1500℃の焼成で真密度の95%以上にち密に焼結した. このような炭素粉末中での焼結によるち密化はCr2O3によってもたらされ, ち密化機構はCr2O3単味の場合と同じであるとみられた. 得られたち密質Gr2O3-ZrSiO4素地の熱膨張係数は, 素地中のZrSiO4量の増加とともに小さくなった.

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© The Ceramic Society of Japan
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