窯業協會誌
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Si3N4, Cr5Si3固溶体, Cr3Si, Cr5B3固溶体及びBN間の窒素1気圧, 1600℃における共存関係
加藤 哲郎吉村 昌弘宗宮 重行
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1981 年 89 巻 1031 号 p. 346-351

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抄録

窒素1気圧, 1600℃におけるCr-Si-B-N 4成分系の等圧・等温断面において, 窒素ガスと共存する化合物: Si3N4, Cr5Si3, Cr3Si, Cr5B3及びBN間の共存関係を調べた. 平衡の達成は窒素を吸収する窒化側の反応生成物が窒素を放出する脱窒素側のそれらと一致することにより確認した. 更に, 固溶域を有する生成相に対しては, その格子定数に経時変化が認められなくなることによっても平衡を確認した. その結果, この等圧・等温断面は三つの3相領域と三つの2相領域から成っており, 3相領域 [II]: Cr5B3固溶体-Cr3Si-BN, 領域 [III]: Cr5Si3固溶体-Cr3Si-BN及び領域[V]: Si3N4-Cr5Si3固溶体-BNであり, 2相領域は領域 [I]: Cr5B3固溶体-BN, 領域 [IV]: Cr5Si3固溶体-Si3N4及び領域[VI]: Cr5Si3固溶体-Cr3Siであった. また, Cr5Si3相とCr5B3相を結んだ線上には固溶関係が認められ, Cr5B3中へのCr5Si3の固溶量は約37wt%までであり, Cr5Si3中へのCr5B3のそれは約10wt%までであった.

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© The Ceramic Society of Japan
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