窯業協會誌
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89 巻, 1031 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 岡田 繁, 阿刀田 徹三
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 339-345
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アルミニウム融液中におけるYB4単結晶の育成条件の検討をアルゴンガスふん囲気中で行った. YB4単結晶の最適育成条件は原料混合比 (原子比 (B/Y)), 3.81-4.25; (原子比 (Al/Y)), 65.00-94.85である. 融液の加熱保持温度と時間はそれぞれ1400℃以上及び10時間以上であった. 結晶は金色の金属的外観を持つ多面体結晶として得られた. 格子定数はa0=7.0993±0.0007 (Å), c0=4.0179±0.0007 (Å) であり, 密度は4.26g/cm3を得た. ヌープ微小硬度は (001) 面で1580-1740kg/mm2, (211) 面で1190-2600kg/mm2であった.
    空気中の酸化における酸化生成物は六方晶系のYBO3と非晶質のB2O3であった. その時の酸化反応は一般酸化速度式 (dw)n=Ktに従い, nの値は1.53±0.11であり, これに基づいて求めた見掛けの活性化エネルギーは95.6kcal/molであった.
  • 加藤 哲郎, 吉村 昌弘, 宗宮 重行
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 346-351
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    窒素1気圧, 1600℃におけるCr-Si-B-N 4成分系の等圧・等温断面において, 窒素ガスと共存する化合物: Si3N4, Cr5Si3, Cr3Si, Cr5B3及びBN間の共存関係を調べた. 平衡の達成は窒素を吸収する窒化側の反応生成物が窒素を放出する脱窒素側のそれらと一致することにより確認した. 更に, 固溶域を有する生成相に対しては, その格子定数に経時変化が認められなくなることによっても平衡を確認した. その結果, この等圧・等温断面は三つの3相領域と三つの2相領域から成っており, 3相領域 [II]: Cr5B3固溶体-Cr3Si-BN, 領域 [III]: Cr5Si3固溶体-Cr3Si-BN及び領域[V]: Si3N4-Cr5Si3固溶体-BNであり, 2相領域は領域 [I]: Cr5B3固溶体-BN, 領域 [IV]: Cr5Si3固溶体-Si3N4及び領域[VI]: Cr5Si3固溶体-Cr3Siであった. また, Cr5Si3相とCr5B3相を結んだ線上には固溶関係が認められ, Cr5B3中へのCr5Si3の固溶量は約37wt%までであり, Cr5Si3中へのCr5B3のそれは約10wt%までであった.
  • 高屈折率ガラスの着色に関する研究, 第3報
    金 炳勲, 山根 正之
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 352-355
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    TiO2-BaO-B2O3系の超高純度ガラスを作製し, その近紫外部での吸収測定を行った. 原料中に硝酸を添加したバッチを, 酸素気流中で透明石英ガラスるつぼを用いて溶融したガラス中のTi3+含有量は5ppm以下で, 近紫外部での吸収にはほとんど影響しなかった. このように超高純度ガラスを作製すると, TiO2含有量が30mol% (nD=1.84, νD=28.8) 厚み10mmのものでさえも肉眼により着色は認められなかった. TiO2-BaO-B2O3系のガラスの紫外部吸収端の波長は, 屈折率と分散の大きいガラスほど長波長側にあった. 白金るつぼで溶融したガラスはるつぼから溶出した白金によって黄色に着色し, TiO2含有量が多いガラスほどその影響を受けやすい.
  • 島津 正司, 村松 国孝
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 356-363
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    層構造型複合ビスマス酸化物 (CBOL) について, 結晶構造並びにイオン価数の組み合わせ (静電的条件) を論ずることによって新たに次の一般化学式を導いた.
    (Bi23+Xn'-1Yn'O3n'+32-)0}(基本CBOL分子)・{(n-n')ABO32-}0}(添加ペロブスカイト型分子) ここで, n, n': 正の整数 (n'≦3; n-n'≧0) X, A: 12配位陽イオン (+1, +2, +3価) Y, B: 6配位陽イオン (+3, +4, +5, +6価)
    CBOL組成は基本CBOL分子 (fundamental CBOL molecule) のみから成るか, 又はそれにペロブスカイト型分子 (perovskite-type molecule) を整数倍添加した組成かのいずれかである. 基本CBOL分子はn'=1, 2, 3の3種類に限られるから, CBOL族全体をこの3種類の型によって大別できる. CBOLはしばしば複雑な化学組成をもつが, 上式の表現によってCBOL族全体を単純化して考えることができる.
  • 岸井 貫
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 363-367
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    曲面ガラスの表面及び表面付近における光学現象について考察した. 表面を伝わる臨界屈折光と, 表面付近を幾何光学的法則に従い伝ぱし, 屈折する “バルク波” の存在を予想し, 実験的に裏付けた. これらの波を用いて, バイアスコープ方式, 屈折計方式の双方によって, いずれも, 表面の複屈折を検出し, 表面応力を求めうることを実験的に示した.
  • 西野 忠, 桜井 正, 山内 英子
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 367-374
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    SrSO4-BaCO3系等モル比混合物を加熱することにより起こる交換反応を, 熱分析, 高温X線分析, 加熱物の粉末X線法による同定と回折角のシフト及び加熱物の選択的溶出を利用した定量分析などの手段を用いて, 反応過程の追跡, 反応速度の検討を行った.
    補助的実験として, SrCO3-BaSO4, SrCO3-BaCO3及びSrSO4-BaSO4系加熱試料の転移温度や溶出率の変化も調べて比較した.
    SrSO4-BaCO3間の交換反応は600℃付近から始まり, DTA曲線上に発熱効果をもたらす. そして, 800℃ではほぼ完了する. 反応はSrSO4+BaCO3→SrCO3+BaSO4で表される単純交換反応で進まず, 生成物同士が相互に10mol%程度を固溶する2相の固溶体 (Sr, Ba) (CO3, SO4) [δ-SrCO3と命名] と (Ba, Sr) (SO4, CO3) を与えることが, 転移温度の低温側へのシフト, Sr及びBaの溶出率の異常性から分った.
    各条件で加熱した試料の溶出率曲線から反応速度を調べたところ, 2次反応式で表示でき, 見掛けの活性化エネルギーは約200kJ/molであった.
  • 小久保 正, 伊藤 節郎, 田代 仁
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 374-381
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ガラスを一方向に結晶化する方法により, 繊維状結晶が一方向に並んだ構造のガラスセラミックスを製造する基礎的条件を究明した. ガラス組成としては, 人工骨材料の成分として適したCaO及びP2O5を多量に含む, MgO 4.6, CaO 44.9, SiO2 34.2, P2O5 16.3wt%の組成を選んだ. この組成のガラスを, 上下方向にのみ温度こう配の付いた電気炉中で再加熱し, 高温側から低温側に向け一方向に結晶化させた. その結果, ソーダ石灰ガラス融液で内壁をぬらしておいた白金るつぼ中に, 上記組成の融液を注入して円柱状ガラス (直径約30mm, 高さ約20mm) とし, これを白金るつぼに入れたまま, その上面をSiCグラインダーで一様に研削した後, 上から加熱し, 上下方向に約115℃/cmの温度こう配をつけ, いずれの高さにおける温度も300℃/hの速度で上昇させると, 直径約5μmの繊維状のβ-CaO・SiO2結晶が多数上下方向にのみ一方向に並んで析出したガラスセラミックスが得られることが分った. 繊維状結晶の間には, アパタイト型結晶, β-3CaO・P2O5結晶あるいは, CaO・MgO・2SiO2結晶粒子も分散して析出していた.
  • 佐藤 滋洋, 篠崎 和夫, 植松 敬三, 水谷 惟恭, 加藤 誠軌
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 381-387
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究ではさまざまな組成をもった酸窒化チタン, TiOxNy (x+y≈1, x=0.07-1.00, y=0-0.89) の粉末成形体について1000℃-1400℃の温度範囲で焼結性の検討を行い, 酸窒化物中の窒素含有量yが増すにしたがって焼結速度が減少する結果を得た. 実験結果について初期焼結の速度式を適用して解析を行い, 焼結を律速する原子種の拡散係数はTiOに含まれる酸素のうちの約90%を窒素で置換すると4桁減少することを示し, 併せて焼結を律速する原子種の拡散係数と欠陥濃度との関係を考察した.
  • 島田 欣二, 山口 秀紀, 栫 輝実
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 387-390
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    シラスと琉球サンゴ石灰岩をポルトランドセメントの調合法に準じて配合し, 水硬率 (H.M.) を1.1から0.2おきに3.1まで変化させた粉末試料を電気炉中1200℃から1280℃の20℃おきの各温度に1h焼成したのち冷風で急冷した. これらの焼成物について粉末X線回折を行い, 生成化合物を同定して焼成過程を検討した. 生成化合物は水硬性化合物であるβ-C2S, C3A及びゲーレナイト (C2AS), 遊離のCaO, ガラス物質で, シラスと琉球サンゴ石灰岩の配合割合及び焼成温度によって生成物の種類と量が変化する. 例えばβ-C2S及びC3AはH.M.の値が大きくなるにつれて, それらの回折強度は増大し, H.M.=2付近で最大値を示したのち減少した. 遊離のCaOはH.M.=2付近から生成し, H.M.の値が大きくなるにつれて急激に回折強度が強まる. いずれの生成化合物も1200℃焼成物の回折強度が大きく, 焼成温度の上昇に伴って減少した.
  • 三友 護, 瀬高 信雄, 堤 正幸
    1981 年 89 巻 1031 号 p. 390-392
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 89 巻 1031 号 p. A39-A46
    発行日: 1981/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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