窯業協會誌
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CaO-Al2O3系化合物の100℃, 10MPaリン酸溶液中における反応生成物
山崎 憲五山口 嘉信中沢 敏彦吉村 昌弘宗宮 重行
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1981 年 89 巻 1036 号 p. 661-668

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抄録
100℃, 10MPaの水熱条件下でCaO-Al2O3系化合物のリン酸溶液中における反応性を調べた. C3A, C2A7, CA及びCA2では水和反応が起こりC3AH6とAH3の水和物が生成した. 水和性はAl2O3成分量が多い組成ほど小さく, CA, CA2は30日水熱処理後においてもあるリン酸添加量で水和が起こらず, 未反応のまま残存した. CA6, α-Aでは全く水和反応が起こらなかった. リン酸は各CAn表面上でAlPO4類似構造を形成して水和反応を抑制するものと推測された. 更にリン酸はC3AH6のCaO成分より選択的に反応しHApあるいはCaHPO4を生成した. C3AH6の生成領域はCaHPO4からAl2O3端成分へ結ぶ線分まで広がると考えられた. AH3はH3PO4/C+A+H3PO4≒50mol%までAlPO4・2H2Oと共存し生成していた. 各種リン酸塩の生成は溶液の液性に強く依存しており, アルカリ性ではHAp, 中性・弱酸性ではHAp, CaHPO4, AlPO4・2H2O (Messbach-type), AlPO4・2H2O (Lucin-type), 酸性ではCaHPO4, AlPO4・2H2O (Messbach-type), AlPO4・2H2O (Lucin-type), AlPO4・2H2O (Metavariscite), 強酸性ではCa(H2PO4)2・H2O, AlPO4・2H2O (Metavariscite) が生成した.
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© The Ceramic Society of Japan
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