1983 年 91 巻 1053 号 p. 199-205
xR2O・B2O3・rSiO2系ガラス (0<x<1.3; r=1及び2; R=Na及びK) 並びにyNa2O・(1-y)B2O3系ガラスの弾性的性質をパルス伝ぱ法で測定した. ナトリウムホウ酸塩ガラス及び5mol% MgOを含むこの系のガラスの弾性率は (MgO+Na2O)/B2O3=0.5において最大値となった. この組成はこれらのガラス中の4配位ホウ素の割合N4がN4=(MgO+Na2O)/B2O3の関係よりはずれる組成と一致する. したがって, 弾性率はN4が最大となる組成あるいは非架橋酸素の発生を告げるインジケーターとしての働きがあることが示唆される. このアルカリホウ酸塩系ガラス中での結果をホウケイ酸塩系ガラスに適用し, N4が最大となる組成の推測やK2OがNa2Oと同じ働きをしているかどうかの確認を行った. 体積弾性率と平均原子対体積とをlog-logプロットした結果から, ホウケイ酸塩系ガラスに関する前報のモデル (Takahashi et al., J. Non-Cryst. Solids, 印刷中) が確かめられた. またホウケイ酸塩系ガラスの弾性的性質に及ぼすSiO2含有量の影響について検討した.