窯業協會誌
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CVD法によるルチル基板上へのSnO2薄膜の析出
永野 正光池田 進
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1983 年 91 巻 1056 号 p. 363-367

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抄録

SnCl4とO2を原料としてCVD法によりSnO2薄膜をTiO2基板 (001) 面上に析出させ, 析出形態及び基板とのエピタキシーに及ぼす析出温度とSnCl4流量の影響をEPMA及びX線回折測定によって調べた. 析出温度1000°-1300℃では一辺数μmの塊状粒子が格子模様に析出し, 900℃では微粒子がのり状に基板表面を覆った. 析出温度900℃以上では析出量の少ない場合に4回対称のピラミッド型粒子が析出した. これらの粒子は次のように基板と全く同じ配向をとることが分った. (001)SnO2//(001)TiO2, 〈100〉SnO2//〈100〉TiO2. 析出温度700℃以下では種々の配向をもつ粒子が析出し, 基板とのエピタキシーは認められなかった. SnCl4流量の影響は比較的小さかった.

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© The Ceramic Society of Japan
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