窯業協會誌
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シラス含有率の高いシラス-ガラス-水ガラス系泡ガラスの製造
関 八千穂
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1983 年 91 巻 1056 号 p. 367-374

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抄録

シラス-ガラス-水ガラス系の特定組成のバッチに対し, 発泡剤として種々の粒度のシリコンカーバイドを0.38-3%添加した. このバッチは電気炉中で1150℃に10分間焼成されて泡ガラスとなった.
得られたガラスのかさ密度は発泡剤の添加量が増大するのに従い低下し0.3Mg/m3又はそれ以下になったが, 極小値の測定される場合もあった. 発泡剤の最適添加量は粒度により決まり, 粒度が粗いと適量は多く, 細かいと少なくなった. ただし極端に細かいと, 小さいかさ密度の泡ガラスは得られなかった.
一般に気泡直径は発泡剤の添加量が増大するのに従い大きくなった. ただし粒度が極端に細かい場合は, 大きな気泡が発生及び破裂を繰り返し, 結局は外観が粗雑となった.
以上の結果を踏まえ, シラス含有率が70%以上であるような種々のバッチに対し, 平均粒径30μmのシリコンカーバイドを0.75%添加し上記同様に焼成した. その結果大部分のバッチは, 優れて均一な組織を持った泡ガラスとなった. 得られた泡ガラスについて気泡直径, かさ密度, 曲げ強さ, 化学的耐久性反び熱伝導率を測定し凍害試験を行った.

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© The Ceramic Society of Japan
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