1985 年 93 巻 1077 号 p. 230-236
ZnOに2mol%のSm2O3を添加した焼結体の電気的性質について検討した.
ZnO単味に電圧を印加すると, 低密度焼結体 (750℃, 1h以下) では, 電流値は時間とともに減少した. しかし, Sm2O3を添加したものでは, このような経時変化は認められなかった. これらの試料の比抵抗値は相対密度が低くなると著しく増大した.
焼結体の相対密度と粒径を用いて, 初期焼結モデルとKakerによる立方体モデルより粒子間のネック半径を算出した. このネック半径による比抵抗値の変化量は二つの直線に分かれており, その直線の交点からデバイ長さを見積もった. 得られたデバイ長さは, ZnO単味で0.31μm, Sm2O3を添加したもので0.53μmとなった.