窯業協會誌
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CuO-V2O5-TeO2系ガラス及び結晶化ガラスの電気伝導
吉田 哲郎平島 碩加藤 宗則
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1985 年 93 巻 1077 号 p. 244-251

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抄録

結晶化に伴うメモリースイッチングに着目して, CuO-V2O5-TeO2系ガラスを熱処理して結晶化し, ガラス及び結晶化ガラスの導電率を検討した.
2元系ではCuOあるいはV2O555mol%以上のガラスは見いだされなかったが, 3元系では遷移金属酸化物を最も多量に含有するガラスとして, 60CuO, 20V2O5, 20TeO2なる組成のものが得られた. ガラスの導電率は, TeO2を一定としてV2O5をCuOで置換するとき減少し, V2O5を一定としてTeO2をCuOで置換するとき, 増加した. 25CuO, 45V2O5, 30TeO2なる組成のガラスを熱処理するとき, V2O5, 未知相A及びCuTeO3を析出し, 150℃における導電率は10-3から10-0.5Ω-1・cm-1に増加した. 導電率を高くする析出晶はV2O5及びA相であった. 55CuO, 15V2O5, 30TeO2なる組成のガラスを結晶化するとき, 導電率はもとのガラスとほとんど変わらなかった. このときもう一つの未知相Bと, 少量のV2O5及びCuOを析出した. EPMA分析より, A相及びB相の組成はそれぞれ50V2O5, 25CuO, 25TeO2及び20-25V2O5, 40-45CuO, 35-40TeO2であることが見いだされた.

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© The Ceramic Society of Japan
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