窯業協會誌
Online ISSN : 1884-2127
Print ISSN : 0009-0255
ISSN-L : 0009-0255
Ti(CN)-TiB2系のホットプレス焼結
菖蒲 一久渡辺 忠彦山本 秀樹
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 93 巻 1077 号 p. 252-256

詳細
抄録

TiN及び複合粉のTi(C0.3N0.7) とTi(C0.5N0.5) の3種を主成分とし, TiB2を添加剤とした系の焼結条件及び焼結体の機械的特性及びCの固溶による効果を調べた. 主な結果は次のとおりである.
(1) TiN-TiB2系と同様に, Ti(CN)-TiB2系でもTiB2の添加量が30-50wt%の領域で, 高密度かつ高強度の焼結体が得られる.
(2) TiN-30wt% TiB2, Ti(C0.3N0.7)-30wt% TiB2及びTi (C0.5N0.5)-30wt%TiB2の三つの系を調べた結果, Cの固溶比率の増加に伴い, 抗折力, 硬度, 靱性とも改善され, また最適焼成温度も下がる. 抗折力の向上原因は, Cの固溶により, 微粒子自体が強化されたことにある.
(3) Ti(C0.5N0.5)-30wt% TiB2系において, 抗折力約800MN/m2, 空げき率0.34vol%, 室温ビッカース硬度2050kg/mm2及び室温破壊靱性値約4MPa・m1/2という特性を持つ焼結体が得られた.

著者関連情報
© The Ceramic Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top