窯業協會誌
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(100-y) (PbO・SiO2)・xK2O・(y-x)Na2O系ガラス中のNi2+イオンの光吸収スペクトル
小山田 了三角 和博
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1985 年 93 巻 1083 号 p. 679-685

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抄録

(100-y)(PbO・SiO2)・xK2O・(y-x)Na2O系ガラスのNi2+イオンの光吸収スペクトルを測定し, この結果からNi2+イオンとその周りに配位した酸素の配位子場強度及びRacahのBパラメーターを求め, ガラス中のNi2+イオンの配位状態を決定した. 更にNa2O, K2O及びNa2O・K2Oのアルカリ含有量を変化させて起こるこれらのパラメーターの変化からガラス構造を検討した.
まず4配位のNi2+イオンの存在を示すν4ピークと6配位のNi2+イオンの存在を示すν3ピークの強度比 (ν43) は, Na2O, K2O及びNa2O・K2O中のK2Oの増加に伴い高い値を示し, アルカリの増加によって4配位が増加することが分った.
また配位子場強度を示すν1ピークは, Na2O, K2O及びNa2O・K2O中のK2Oの増加に伴い, 低波数側ヘシフトした. 更にBパラメーターでは, K2O及びNa2O・K2O中のK2Oの増加に伴い, 低波数側ヘシフトした.

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© The Ceramic Society of Japan
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