Ln
2O
3-Ga
2O
3系 (Ln=La, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Dy, Ho, Er及びYb) 化合物の固相反応及び溶融後急冷による合成を行い, それら生成相の高温における挙動について検討した.
この系に生成する化合物は, ガーネット型立方晶系構造の3Ln
2O
3・5Ga
2O
3 (Ln=Nd, Sm, Eu, Gd, Dy, Ho, Er, Yb), ペロブスカイト型斜方晶系構造のLnGaO
3 (Ln=La, Pr, Nd), 単斜晶系構造の2Ln
2O
3・Ga
2O
3 (Ln=La, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd) 及び斜方晶系構造の3Ln
2O
3・Ga
2O
3 (Ln=Sm, Eu, Gd, Dy, Ho, Er) の単一相が認められた.
生成化合物は, LaGaO
3を除いて, 再加熱による結晶構造の転移は認められず安定相である. LaGaO
3は再加熱に伴い900℃付近において斜方晶系から菱面体晶系に可逆転移することを確認した.
大部分の生成化合物は安定相で認められた. 化合物の凝固点は, LnGaO
3についてはLnイオンのイオン半径が小さくなるに従って低下し, 3Ln
2O
3・5Ga
2O
3及び2Ln
2O
3・Ga
2O
3は上昇する傾向を示した. 一方, 3Ln
2O
3・Ga
2O
3及び2Gd
2O
3・Ga
2O
3は加熱に伴い分解溶融することを認めた.
生成化合物の格子定数は, Lnイオンのイオン半径が小さくなるに従って順次収縮するのが, それぞれ観察された.
生成化合物の屈折率は, 3Ln
2O
3・5Ga
2O
3で
n=2.01-2.04, LnGaO
3で
nγ=2.05-2.06,
nα=2.04-2.05, 2Ln
2O
3・Ga
2O
3で
nγ=1.95-2.01,
nα=1.93-1.99及び3Ln
2O
3・Ga
2O
3で
nγ=2.01-2.05,
nα=2.00-2.02の範囲である.
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