Journal of Chemical Software
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茶カテキン類のC-6位またはC-8位におけるヒドロキシメチル化の反応性を高めるためには?―C-3位のガレート基導入効果の理論的研究―
田村 克浩松本 高利長嶋 雲兵
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2001 年 7 巻 2 号 p. 57-64

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抄録
茶カテキン類として知られているC-3位にガレート基をもつ(-)-エピカテキンガレートおよび(- )-エピガロカテキンガレートは、ガレート基を持たない茶カテキン類と比べホルムアルデヒドのC-6位またはC- 8位における求電子置換反応の反応性が高いことが知られている。そのため本研究では5種類の茶カテキンのヒド ロキシメチル化反応について、半経験的分子軌道法による理論計算を行った。その結果、C-3位にガレート基を 導入することによりHOMOの振幅が反応位置(C-6位またはC-8位)で増加するため、ヒドロキシメチル化の反応性 が高まるという結果を得た。
茶カテキン類とホルムアルデヒドとの反応性を高めるためにはHOMOを不安定 化し、かつ反応位置でのHOMOの振幅を増大させる大きなπ電子系を持つ官能基の導入が有効であることが示唆さ れた。
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© 2001 化学ソフトウェア学会
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