抄録
格子ジャケットを用いたシート工法は,筒状織物に流動性の高いモルタルを充填して格子状の補強枠を形成する表層安定処理工法で,格子構造が荷重分散効果を有し,軟弱地盤上に施工することで不同沈下の抑制が行える.これまでに水田上におけるトラフィカビリティーの改善実験や鉄道路床の試験施工,および河川護岸工事における短期間の仮設道路としての使用などの実績がある.本報告では深さ10m近くまでN値の低い地盤が堆積している軟弱地盤上に一般道路の仮設道路として施工した例を紹介すると共に,使用期間が1年以上と比較的長期にわたるため,追跡調査を行い施工後の状況について詳細調査を行った結果を報告する.