ジオシンセティックス論文集
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論文
ジオシンセティックスを用いたL型排水盛土防水工
数値シミュレーションと模型実験による評価
澁谷 啓齋藤 雅彦原 健二桝尾 孝之
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2008 年 23 巻 p. 139-146

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抄録

近年,豪雨による盛土構造物の変状や崩壊による災害が多発している.盛土背部や地山から浸透する雨水が盛土内に浸入することにより飽和領域が拡大し,サクションの低下により土の剛性および強度がともに減少することが原因と考えられる.したがって,この種の地盤災害軽減のためには,盛土内および周辺への雨水の浸入を許さないことが重要である.本研究では,盛土構造物を囲むようにジオシンセティックス排水材をL型に配置し,鉛直に設置した排水材で受けた浸透水を盛土底部に水平に設置した排水材に流すことにより盛土外へ速やかに排水させる方法を考案し,この手法による盛土防水効果を不飽和浸透流数値シミュレーションにより定量的に評価している.また,神戸市六甲山系で採取したまさ土を用いた模型実験結果と解析結果を詳細に比較検討することにより,提案する数値シミュレーション手法の工学的適用性を検証している.

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© 2008 国際ジオシンセティックス学会 日本支部
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