2008 年 23 巻 p. 147-154
豪雨災害による盛土構造物の大変形や崩壊を防ぐための対策工として,盛土内に地山から浸透する雨水の浸入を軽減する仕掛けとして「ジオシンセティックスを用いたL型排水盛土防水工」を考案し,この対策工による盛土内の水位上昇抑制効果を数値シミュレーションおよび模型実験により確認した(澁谷ら,20081)).本研究では,六甲山から採取したまさ土を用いた高さ 2.5 m の「無対策盛土」と「L型排水盛土」による浸透実験を実施し,浸透特性および盛土変形挙動を比較検討することにより,「ジオシンセティックスを用いたL型排水盛土防水工」の盛土内の水位上昇抑制効果を検証している.また,盛土背部からの水の浸透に伴う盛土内の飽和度,毛管圧,壁面変位,土中のせん断変形,等の変化を詳細に計測し,解析結果と比較検討している.