2009 年 24 巻 p. 113-118
従来,土留め壁構造物における健全度診断法は目視が主体であり,定量的な評価は確立していない.そこで,小型起振器を用いた非破壊試験法を開発した.この試験法は軽量で小型の起振器を壁面工天端に設置し,強制振動を与えることで,壁面工を振動させ,壁面工の固有振動数を測定するものである.得られた固有振動数を用いて解析を実施し,逆解析により健全箇所と不健全箇所の地盤反力係数を比較することで,補強土壁構造物の健全度を定量的に把握することが可能かどうかを検討したので報告する.