2012 年 27 巻 p. 149-156
著者らは橋桁と橋台を一体化させた一体橋梁において,気温変化により上床版の膨張・収縮に伴って生じる背面盛土の沈下,および側壁に作用する土圧増加の課題を解決する工法として,一体橋梁と補強土構造を一体化させた補強盛土一体橋梁の開発を行ってきた 1) 2).北海道新幹線で補強盛土一体橋梁が施工されており,上記の問題に対して効果を確認するため施工時および長期動態計測を実施している.その結果,ジオテキスタイルを介して補強盛土と一体橋梁が一体として挙動していることから,橋桁の熱伸縮に伴う背面盛土の沈下の課題を解決できるものと考えられる.また,補強盛土一体橋梁の施工完了(2011 年 12 月)から現在(2012 年 5 月)まで,構造物に大きな変形は生じていないことを確認した.