2022 年 37 巻 p. 25-30
損傷した補強土壁をソイルネイルで補修した場合の有効性を調べるため模型実験を行った.ジオグリッド補 強土壁を一回傾斜させることで地震による損傷を模擬し,その後ソイルネイルによる補修を施してから,二度 目の傾斜実験を行った.実験の結果,損傷した補強土壁をソイルネイルで補修することによる耐震性の向上が 確認された.またソイルネイルの追加による耐震性の向上の効果はソイルネイルの長さ,補強土壁の損傷度合 いによって異なり,ソイルネイルはジオグリッドよりも長いものを使用し,補強土壁の損傷が小さい状態で補 修することで,ジオグリッドによる補強領域の背後に生じる垂直なすべり線の発生を抑え,高い補修効果が期待できることが分かった.