本論文では,一体橋梁の桁部温度伸縮に伴う背面土圧増加現象に着目し,アルミ棒積層体模型地盤を用いて繰返し水平載荷を与える模型実験を行った.実験対象は,背面盛土をジオシンセティックス補強土としたGRS一体橋梁(ただし壁体と補強材は未定着)と補強土ではない通常の一体橋梁の2種類であり,繰返し水平変位を与える範囲を主働側のみ,主働側と受働側の両方(正負交番),受働側のみの3パターンとして,桁を一体化する季節の違いを模擬した.実験の結果,補強材の敷設だけでは桁部温度伸縮による背面土圧増加現象を完全に防止することはできないが,その影響を低減する効果は期待できることがわかった.また,補強材の有無によらず,繰返し載荷の受働側変位の割合が大きくなるほど,受働側変位時の土圧が大きくなることがわかった.