2022 年 37 巻 p. 93-98
盛土等の土構造物の耐震・耐降雨補強を目的に開発したRRS工法は,ジオセルと地山補強材を一体化させることにより,のり面工抵抗と引抜き抵抗で耐降雨性も含めた盛土構造物の安定を確保するものである.これに対して,現在開発を進めている遮水版RRS工法(RRS-s工法)は,ジオセルとのり面の間に遮水シートを敷設して,盛土への雨水の浸透を抑える効果(遮水性能)を付加するもので,従来のRRS工法よりも地山補強材量を少なくでき,より経済的な耐降雨対策工法とすることを目的としている.開発に際し,施工時に遮水シートに生じる不連続部(接続部,損傷部)の遮水性について検討するために,室内降雨実験およびその有限要素解析を行った.