2023 年 38 巻 p. 122-129
補強材の配置間隔が補強盛土の施工時安定性に与える影響を把握するため,試計算ならびに実物規模の試験施工を実施した.さらに,狭隘な箇所での施工を想定して,補強盛土背面側から剛壁面を構築する背面施工法を提案し,本試験施工にて提案構造の実現性を確認した.試計算・試験施工の結果,補強材の鉛直方向の配置間隔は0.6m程度までの間隔であれば,施工時安定性の確保が可能であることが確認された. 足場を設置しない背面施工を想定し,壁面型枠と補強盛土部を同時に施工する工法として,軽量な埋設型枠と,外型枠固定用部材として開発した沈下許容部材を使用し,試験施工により背面施工の実現性を確認した.