1993 年 8 巻 p. 75-83
わが国では梅雨期、台風期、融雪期に地滑りが発生して多くの人命や財産が失われている。筆者はジオメンブレンを地表面下1-2mに敷いて浸透を防止すれば地下水の急激かつ大量の増加を防ぐことができ、この種の原因の地滑りが防止できるものと考えた。ジオメンブレンに1-2mの厚さの土をかぶせておけば、植生の生育には妨げにならず、軽易な建物も建てられる。地滑り地の勾配が急な場合には擁壁で雛段を造り、緩くした斜面にジオメンブレンを敷く。地滑りの防止工法として排水井戸、排水トンネルなどが用いられているが、工費が高いので十分な効果が上がるほど大量に設置できない。ジオメンブレン工法は在来の工法よりも遙かに経済的である。この工法にもにもいくつかの研究問題が残されている。